工作機械の基礎知識1
マシニングセンタとは
マシニングセンタの定義
マシニングセンタの種類
マシニングセンタはその構造から、『横形』 『立形』 『門形』 『工作物回転形』 に分けられます。
横形は、主軸が水平方向に設置されていて、割り出しテーブルに工作物を固定し、1回の取り付けで複数面の加工が可能です。
立形は、主軸が鉛直方向に取り付けらてれいる。工作物の上面の加工が多い工作物、たとえば金型の加工に向いています。
門形は、機械の主要な構造が門の形になっていて、大きい工作物の加工に適しています。立形の様に鉛直方向の主軸の場合が多い。
工作物回転形は、工作物をテーブルではなく回転主軸に取り付けるもので、旋盤の機能を合わせ持っている。ターニングセンタと呼ぶこともあります。工程を集約する効果があります。
主軸方向については、立・横の両方を備えたもの。
最近多くなっている一つの主軸が旋回して、立・横に自由に変化するものもあります。5面加工機と呼ばれております。
151515151515
マシニングセンタの構成要素について
右図は代表的な横形マシニングセンタの各部名称です。
バリエーションが多いためあくまでも基本的な部分についてのみ取上げました。
・NC装置:CADなどで作成した図面データを読み込み、
NCデータを演算し、工作機械に指令を出す装置
・工具マガジン:使用する工具を収容する装置
・中間アーム:工具マガジンから工具を取り出す装置
・ATCアーム:スピンドルと中間アームとの間で工具交換をする
装置
・スピンドル:工具と取り付け、回転運動を与える装置
・パレット:工作物を乗せ、固定する装置
・テーブル:工作物を固定し、X・Y・Z軸方向に移動させる装置
・コラム:多くの場合、主軸ヘッドを上下に移動させるためのガイド(Y軸)を持つ構造物
・ヘッド:全体をこれに取り付け一体化する事により、必要な制度を保つ構造物
・切削油タンク:切削油剤を入れるタンク
・APC装置:自動パレット交換装置
最近はより精度が高く、早く加工する為に各メーカが競っており、
このほかにもたくさんの装置が標準で装備されております。
マシニングセンタの主軸頭の構造について
マシニングセンタの主軸頭は用いられる軸受け、駆動方法、取り付ける工具規格とその大きさ(番手)により分類されます。
主軸自体は極めて高精度に仕上げられたシャフトです。
(直径:数十から百数十mm、長さ:数百mm)
図1-4は、主軸頭の一例です。
フロント軸受けにアンギュラ玉軸受け、リア軸受けに頃軸受けを使用しております。BT40番の工具を取り付けるために必要なテーパ穴、クランプ装置を備えています。
マシニングセンタの軸に用いられる軸受けには図1-5のような種類があります。いずれも工作機械主軸用として高精度に製作されたあもので、組付け時に適切な予圧(プリロード)をかけることが可能です。
アンギュラ弾受けは高速回転に適しており、さらに転動体の材質をセラミックとしたものもあります。
転がり軸受けでは、何らかの潤滑が必要で、特に高速回転用途では強制的に冷却する必要があります。
静圧軸受けは、油静圧と空気静圧があり、転がり軸受けに比べ回転精度が高いので、特に精度が必要とされる場合に用いられます。空気静圧は負荷能力と剛性が比較的小さいが、発熱が少ないので、小径工具の高速回転用として用いられております。
主軸全体の熱膨張を防ぐために、全体に水を回すことで、熱による膨張を防ぐなど、各メーカ工夫を凝らしております。